歯科医院のLLMO対策チェックリスト10項目 — 「AIに聞いたとき、うちの医院は出てくるか」
「近くのおすすめの歯医者は?」と AI に聞く患者さんが増えるなか、貴院は AI の回答に出てくるでしょうか。歯科医院がすぐ確認できる LLMO 対策チェックリスト 10 項目を、確認方法・依頼先つきで解説。AI が医院について誤った案内をしていないかのチェック方法も紹介します。
「近くのおすすめの歯医者さんは?」「土曜もやってる歯科は?」——こうした質問を Google ではなく ChatGPT などの AI にする患者さんが増え始めています。AI は具体的な医院名を 2〜3 院挙げて答えます。そこに貴院の名前が入るかどうかを左右するのが LLMO(AI 検索最適化)対策です。
当社が 2026 年 7 月に実施した計測では、地域名を入れた医院探しの質問に AI は実在の医院名を挙げて回答しました。挙がる医院と挙がらない医院の差は、立地や規模ではなく「AI が読める形で情報が公開されているか」にあります。以下の 10 項目で貴院の現状を確認してください。
AI は何を見て医院を推薦しているのか
AI の回答の材料は主に 4 つです。①医院公式サイト(最重要の一次情報)、②Google・Bing の検索インデックス(ChatGPT の検索機能は Bing を参照します)、③医療系ポータルサイト(EPARK など。古い情報が残りやすい)、④口コミ・地域メディア。この 4 つの情報が食い違っていると、AI は誤った情報の方を答えることがあります。
チェックリスト 10 項目
1. AI クローラーを拒否していないか
医院サイトの robots.txt(サイトURL の後ろに /robots.txt を付けて表示)に GPTBot などを弾く記述がないかを確認します。制作会社には「AI クローラー(GPTBot・PerplexityBot 等)を許可していますか」と一文聞けば足ります。
2. 診療情報が「テキスト」で書かれているか
診療時間表を画像で貼っているサイトは要注意です。AI は画像内の文字を読み取れないことが多く、テキストで書かれた情報だけが確実に伝わります。
3. 構造化データ(JSON-LD)で医院情報を宣言しているか
schema.org の Dentist スキーマで、医院名・住所・電話・診療時間を機械可読な形で埋め込みます。実装方法は構造化データ入門で解説しています。制作会社に依頼できる作業です。
4. 診療内容・料金目安が具体的に書かれているか
「痛くない優しい治療」のような形容詞だけでは、AI は推薦の根拠を持てません。対応している診療・していない診療、自費診療の料金目安など、検証できる事実を書きます。
5. よくある質問(FAQ)ページがあるか
「土曜は何時まで?」「駐車場は?」「子ども連れでも大丈夫?」——患者さんが AI にする質問と同じ形の Q&A は、AI がそのまま引用しやすいコンテンツです。
6. Google ビジネスプロフィールが最新か
営業時間・祝日対応・属性(バリアフリー等)を最新化します。地図検索(MEO)と AI の両方が参照する基礎データです。
7. Bing Places に登録しているか
見落とされがちですが、ChatGPT の検索は Bing のインデックスを参照します。Bing Places for Business(無料)に登録し、Google ビジネスプロフィールと同じ内容に揃えます。
8. ポータルサイトの情報が公式と一致しているか
EPARK・病院なび・Caloo などに残る古い診療時間・旧住所は、AI の誤答の発生源になります。各サイトの情報修正依頼フォームから修正を申請します。
9. 「地域名×診療内容」のページがあるか
「○○市 小児歯科」「○○駅 ホワイトニング」のような聞かれ方に対応するには、その組み合わせに答えるページ・記事が必要です。
10. AI での「見え方」を定期的に確認しているか
AI に貴院の名前で質問し、誤った診療時間・やっていない診療の案内が回答されていないかを確認します。AI の回答は毎回変わるため、複数回・定期的なチェックが必要です。当社の計測でも、AI が医院・サービスについて存在しない詳細を推測で語る例を確認しています。
セルフチェック表
項目 | 確認のしかた | 対応する人 |
|---|---|---|
1. AI クローラー許可 | 制作会社に一文で質問 | 制作会社 |
2. テキスト化 | 診療時間表が画像でないか目視 | 制作会社 |
3. 構造化データ | 制作会社に実装有無を確認 | 制作会社 |
4. 具体的な診療情報 | 自院サイトを患者目線で読む | 医院+制作会社 |
5. FAQ ページ | 有無を確認 | 医院+制作会社 |
6. Google ビジネスプロフィール | 管理画面で最新か確認 | 医院で対応可 |
7. Bing Places | 登録有無を確認(無料) | 医院で対応可 |
8. ポータルの情報統一 | EPARK 等で自院を検索して照合 | 医院で対応可 |
9. 地域×診療ページ | 有無を確認 | 医院+制作会社 |
10. AI での見え方確認 | AI に自院名で質問(複数回) | 医院 or 専門業者 |
よくある質問
自分(医院)だけでどこまでできますか?
6〜8(Google ビジネスプロフィール・Bing Places・ポータル修正)は医院だけで対応できます。1〜3 は制作会社への依頼事項、10 は継続的な計測の仕組みが必要です。
効果はいつごろ出ますか?
修正が AI に反映されるまで、再クロールとインデックス更新を経て数週間〜2 ヶ月程度が目安です。だからこそ、近隣の競合医院より先に始めることに意味があります。
まず何から始めればいいですか?
現状把握です。「AI に聞いたとき、うちの医院は出てくるのか。間違った案内をされていないか」——ここが分からないまま対策しても効果を確認できません。
まとめ:まず「現在地」を知ることから
10 項目のうち半分は医院だけで今日から対応できます。そして最初の一歩は現状把握です。当社では、患者さんの想定質問を複数の AI に複数回投げて貴院の言及率と誤情報の有無を確認するAI 認知度診断(無料)を提供しています。診断だけのご利用も歓迎です。あわせてLLMO とは何か(基礎解説)もご覧ください。
歯科医院向けの Web問診票(LINE連携・9言語対応・月額3,300円)と、AI 検索での見え方を毎月計測する AI誤情報・風評モニタリングを提供しています。本ブログの LLMO 関連記事は、複数の AI に同一質問を くり返し投げて言及率を測る自社の実計測データに基づいて執筆しています。